坂本龍一「トニー滝谷」をほぼ毎日

ほぼ毎日、寝る前のクールダウンに坂本龍一さんのサントラCDを聴いている。

以前坂本氏自身が「癒やし系」という言葉が嫌いだと語っていた憶えがあるのだが、私も「そんな分類はアテにならない」と思っている。癒やしとクールダウンは別の物だ。

癒やしは、人それぞれ何に癒されるか、そもそも人それぞれ、どの程度のどんな種類のダメージを負っているかによっても「癒やし」は違う意味を持ってしまうし、個人の音楽の好みも影響する。

「幼い頃聴いた音楽」に癒されてみたり、「クラシック音楽」に癒されてみたり、鳥の声や波の音など「自然音」が好きな人もいるだろうし、逆にリズム全開の音楽で悩みや悲しみを忘れる人もいるだろう。

クールダウンというのはもっと狭い意味で、頭や体の活発な状態を鎮めるという、体で言えば氷を当ててアイシングとか、目を閉じて深呼吸とかそういうことになるだろう。そういう音楽として、今の私に最も強力に効くのが「トニー滝谷」なのだ。

「トニー滝谷」は村上春樹原作で映画化された。トニー滝谷とその父をイッセー尾形が、その妻と、のちに来るアルバイト女性を宮沢りえが2役演じた市川準監督作品。そして音楽が全編坂本龍一の静かなピアノソロだ。

「トニー滝谷」という名前は、ジャズミュージシャンで家庭をあまり顧みない父が付けた名前。名前のせいで学校などでいじめられ、自分の世界に閉じこもって絵に熱中し、高度成長期にイラストレーターとして大成しているが、孤独な心は相変わらずだ。そんな彼の前に宮沢りえが演じる女性が現れ、人生で初めて孤独でない生活が始まるが・・

余白が多く色の薄い静かな映像。ゆっくりと横に流れていく無機質な画面に、少しオフマイクで部屋の響きを入れたようなピアノが淡々と添えられている。

私は坂本氏の音楽が好きで随分聴いてきたが、この音楽は映画を観て偶然知った。この映画は映像として、写真の構図として「大好物」な部類に入るから何度も観ているが、音楽は音楽で、別に映画の世界に浸るためでなく、毎晩のように聴いている。こんなに映像と音楽の両方がそれぞれに好きな作品は珍しい。

もう1つのクールダウン音楽に、hard Romanticの「Sincerely」などのCD群があるが、もう殆どが中古でしか手に入らないらしい。「トニー滝谷」はCDもまだあるようだし、AmazonにはMP3もあり、もちろん映画のDVDも売られているので、クールダウン音楽や十年近く前の宮沢りえの美貌などに興味のある方は試聴やレンタルなどしてみては・・勿論イッセーさん、いい味出してます。

 

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このページは、onocchiが2013年5月20日 03:48に書いたブログ記事です。

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